にらの旬はいつ?
独特の香りを持つにらは、一年を通して買える野菜ですが、旬の盛りは2〜5月。春先にはやわらかな葉を楽しめます。さっと火を通すと、香りが立ち、ほどよい歯ざわりが残ります。
冬から春を旬とする見方もあれば、春先から初夏をおいしい時期とする見方もあります。産地によって気候やハウスでの育て方が異なり、冬にゆっくり育って葉が肉厚になる地域もあります。にらの食べごろには地域や育て方による幅があります。
「一番にら」って何? 刈ってもまた伸びる葉の秘密
にらは一度収穫しても、それで終わりではありません。株元を残して刈り取ると新しい葉が伸び、同じ株から繰り返し収穫できます。
最初に刈り取った葉は「一番にら」や「一番刈り」と呼ばれ、やわらかさや甘みのよさで知られています。特別な品種の名前ではなく、収穫する順番を表す呼び方です。
お店のにらが全部「一番にら」というわけではありません。二番刈り以降も出荷され、通常の「にら」という表示だけでは何番刈りか判断できません。
お店に多く出回る時期
にらは一年中市場に届き、入荷量の変化は比較的小さな野菜です。最も少ない月にも、最も多い月の7割ほどが届きます。旬の盛りを過ぎても、店頭で見つけやすいのが特徴です。
東京の市場では、春は高知・栃木・茨城などから多く届きます。大分からは初夏にかけて入荷が増えるなど、季節によって産地の顔ぶれや届く量が少しずつ変わります。
にらはハウス栽培を中心に、産地ごとに加温する時期や品種を調整し、同じ株から繰り返し収穫することで一年中出荷されています。
東京の市場では、たとえば2025年は冬の価格が高く、入荷が増えた春に下がりました。通年買えても、値段まで一定ではありません。
出典:農林水産省「青果物卸売市場調査」2019〜2024年の平均
にらの名産地
出典:農林水産省「作物統計」(野菜の収穫量)2022-2024年の平均
にらの収穫量は高知が全国の約3割を占め、栃木、茨城が続きます。温暖な高知と、関東の栃木・茨城が大きな産地になっています。
国産と輸入
東京の市場統計では、生鮮にらの国産と輸入が分けて示されていません。ただし、生鮮品の輸入量は少なく、店頭で見かけるにらは国産が中心です。
一方、冷凍のにらは中国から輸入され、刻んだ状態で総菜などの加工用・業務用に使われています。生鮮品と加工用では輸入の事情が異なります。
おいしいにらの選び方
- 葉が鮮やかな緑色で、表面に自然なつやのあるものを選びます。
- 葉先までピンと張り、折れたりしおれたりしていないものが新鮮です。
- 根元の切り口がみずみずしく、茎に弾力があるか確かめましょう。
- 葉に白い斑点がなく、幅が広くしっかりしたものも選ぶ目安です。
おいしい食べ方
にらの持ち味は、火を入れたときの香りと食感。肉や卵と合わせる炒め物はもちろん、鍋やスープ、餃子の具にもよく合います。歯ざわりを残したいときは、最後に加えて短時間で仕上げるのがコツです。
切ってから時間がたつと香りが強くなるので、刻むのは調理の直前に。葉のやわらかさを生かして、さっとゆでたおひたしや和え物にも向いています。
葉にら・黄にら・花にらはどう違う?
ふだん「にら」として売られているのは、緑の葉を食べる葉にらです。光を遮って育てる黄にらは淡い黄色で、やわらかく、香りも穏やか。花にらは、花が開く前の若い花茎やつぼみを食べるものです。
食用の「花にら」と、庭などで見かける観賞用の「ハナニラ」は別の植物です。観賞用のものを食用にしないよう注意しましょう。
にらの豆知識
にらは日本でも古くから親しまれ、『古事記』では「加美良(かみら)」という名で登場します。現在の「にら」という名前は、昔の呼び名が変化したものという説があります。
土地ごとの料理にも個性があります。大分の「にら豚」、高知の「にら塩焼きそば」、栃木の「にらそば」など、にらを主役にした料理が各地で親しまれています。